PERMANENT i — July 2014, #6

PERMANENT

二〇一一年三月十一日。日本を揺るがした東日本大震災による未曾有の災害は、私たちの人生観や価値観に影響を与える大きな出来事でした。そして、いまだ福島第一原発事故の脅威は続いています。そんな中、私たちは人間が生きる上で最も根源的な営みの一つである「食べること」に考えが及ぶようになりました。私たちが着目したいのは、例えば、普通の人の食卓の風景。食の基本は毎日の食卓にあると私たちは考えています。何が食べたいか、どの店で食材を選ぶか、どのように調理するか、どの食器で食べ、どんなふうに時間を過ごすか、それら全てを自分の意志で決める場所だと思うからです。私たちは津々浦々の食卓で、食べることについての話を聞いたり、調理の様子などを取材し、食卓の風景から、あらためて「食べること」について考えてみたいと思います。また、私たちは、自分の身体の中に入れるものが、何処でどうやって育った食材かをしっかりと把握し、大事に無駄なく食べたいと考えています。だから、山や里、海での生産や加工の現場、そこに携わる人々に会いに行き、その土地の風土で育つ食材、食べ方など、私たちがこれまで知らなかったり意識しなかった、食べもののいろいろを再確認し、一人でも多くの方と共有していきたいと思っています。その他、食を起点に、さまざまな視点から「食べること」への認識を肥やす情報を紹介していきます。今だからこそ「食べること」の意味、楽しさ、大切さ、そして、未来のために考えなければならないことなど、あらためて「食」の中から探っていきたいと思います。

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JPY 500.00 — Released 31 July 2014

第六号は、採卵鶏の廃鶏を捌く過程から、その鶏肉を美味しくいただくまでの記録をまとめました。鶏を捌く過程で、残酷だと思われるような写真も多数あり、掲載するにあたり、熟考を重ねてきました。しかし食べることを考える上で、動物や植物の命をいただく行為は、切っても切り離せない営みです。私たち消費者は、切り身になった肉や魚は手にしても、その背景を知ることはありません。背景をしっかり知ることで、大切な命をありがたく、美味しく、余すことなく頂きたいと考えます。また消費する量についても考えるきっかけになればと思います。


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