PERMANENT i — March 2014, #5

PERMANENT

二〇一一年三月十一日。日本を揺るがした東日本大震災による未曾有の災害は、私たちの人生観や価値観に影響を与える大きな出来事でした。そして、いまだ福島第一原発事故の脅威は続いています。そんな中、私たちは人間が生きる上で最も根源的な営みの一つである「食べること」に考えが及ぶようになりました。私たちが着目したいのは、例えば、普通の人の食卓の風景。食の基本は毎日の食卓にあると私たちは考えています。何が食べたいか、どの店で食材を選ぶか、どのように調理するか、どの食器で食べ、どんなふうに時間を過ごすか、それら全てを自分の意志で決める場所だと思うからです。私たちは津々浦々の食卓で、食べることについての話を聞いたり、調理の様子などを取材し、食卓の風景から、あらためて「食べること」について考えてみたいと思います。また、私たちは、自分の身体の中に入れるものが、何処でどうやって育った食材かをしっかりと把握し、大事に無駄なく食べたいと考えています。だから、山や里、海での生産や加工の現場、そこに携わる人々に会いに行き、その土地の風土で育つ食材、食べ方など、私たちがこれまで知らなかったり意識しなかった、食べもののいろいろを再確認し、一人でも多くの方と共有していきたいと思っています。その他、食を起点に、さまざまな視点から「食べること」への認識を肥やす情報を紹介していきます。今だからこそ「食べること」の意味、楽しさ、大切さ、そして、未来のために考えなければならないことなど、あらためて「食」の中から探っていきたいと思います。

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JPY 500.00 — Released 8 March 2014

◎食卓の風景「Heavenly Music」 福岡の木工作家・山口和宏さん(58歳)の食卓を訪ねた。娘さんのアレルギーや喘息をきっかけに食のあり方を見直したという山口さん夫妻は 週末になると二人揃って台所に立つ。音楽をかけながら台所に並ぶ二人に「たべること」の話を伺った。

◎たべものの素顔(特別編)「下郷農協のこと」 下郷農協は、大分と福岡の県境に位置し 景勝地として知られる耶馬溪にある。農協(JA)の組織にありながら、「有機農業宣言の農協」を掲げた運営を続け 「新鮮・安全・安心」をモットーに 農薬や化学肥料を使用しない農産物の生産、添加物を使用しない加工を行い 独自に販路を開拓して直接消費者に届ける「産直」を50年以上続けている。

◎「Noble Residents」 下郷農協の続編で、実際の組合員たちである生産者(米・小麦・牛・豚・野菜)の方々に話しを聞き 合鴨農法で育てる米、遺伝子組換えでない飼料を与えて家畜する現場や無農薬の小麦生産・乳製品・無農薬の野菜など下郷農協ブランドを作っている農家を訪ねた。


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